株主・投資家の皆様へ

2000年、科学技術庁無機材質研究所(現在の国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS))での研究成果を社会に還元したいとの思いから、国研発のベンチャー企業としてオキサイドを設立いたしました。

私は40歳を過ぎるまで単結晶の開発一途に従事してきた研究者であり、起業家ではありませんでした。無機材質研究所に在籍中、研究成果を数社にライセンスいたしましたが、いずれも事業化に失敗。自ら起業するしかないと決意し、オキサイドを創業いたしました。「研究成果を社会に還元し、キーマテリアルを世界に向けて発信する」という経営理念を掲げ、借地のプレハブ小屋でわずか3人からのスタートでした。

その後、国内外の企業との資本・業務提携、事業買収、資本参加を通じ、当社のコア技術である「単結晶」と「光」を化学反応させ、事業領域を拡大してまいりました。これが、他社にはない製品や技術を生み出し、市場への新規参入、シェア拡大につながっております。単結晶からレーザ装置までを網羅する垂直統合型の事業展開により、お客様のご要求やご相談にお応えしております。当社の製品や技術は、皆様の目には直接ふれないところで、生活に欠かせないもの、生活を豊かにするものを生み出していると自負しております。

2023年3月1日には、イスラエルのRaicol Crystals Ltd.社がオキサイド・ファミリーに加わりました。Raicol社は、世界各地域で広い販路を有し、高品質で信頼性の高い製品を提供しています。Raicol社が加わることにより、これまでの「半導体」、「ヘルスケア」分野に加えて、「宇宙・防衛」、「美容」、「エネルギー」、「量子」分野へと事業分野を拡張させることとなりました。また、日本とは異なる文化、環境で働くメンバーがオキサイドの一員になることは多様性の観点からも非常に心強いと感じております。

世界はかつてないほどのスピードで変化を続け、新たな社会課題が浮き彫りになり、働き方や生活スタイルなど様々な場面で大きな変革をもたらしています。当社も、この変化に向き合い、豊かな社会作りに引き続き貢献してまいりたいと考えております。

創業以来、幾多の試練に直面しましたが、留学先のスタンフォード大学でお世話になった恩師の言葉「リスクを冒さないことが最大のリスクである」を座右の銘に、危機を乗り越え、新たな挑戦を重ねてまいりました。

これからも、「結晶と光の技術で世の中を幸せにする」という理念の実現に向けて、皆様のご期待に沿えるよう、世の中の様々な課題の解決に挑戦してまいります。今後とも皆様の一層のご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

代表取締役社長